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上で働いているクマゴローは 本の紹介 で一生懸命なので(マウスなどで)からかわないであげてください!!

2011年11月02日

電子書籍のDRMで誰が困る事になるのか

妙なタイトルを付けてしまいましたが...
"本の保存" に関する話の第3弾です。
前回に引き続き、電子書籍のDRM(著作権保護の仕組み)に関する話となりますが、今回は提供者側(出版側)への影響について、私なりに思っているところを記してみます。
...と言いながらも、単に提供者側(出版側)に対する文句に終始している様な気もするので、そのあたりを踏まえて寛容な気持ちで読んで頂ければ有り難いです。 (-_-;)


いきなり余談から始めます。
以前の記事でも何度か記した事がありましたが、最近、DMM→BookLive!→hontoと立て続けに採用されている(組込まれている)電子書籍のDRM機能(製品)に CypherGuard(サイファーガード) と言うものがあります。
強固な複製抑止機能を持ち、これが組み込まれた電子書籍はキャプチャなどによって自前で内容を保存する事が極めて困難になります。
尚、この機能を持った電子書籍リーダーソフトをPCにインストールすると、CypherGuardの機能はサービス(常駐プログラム)としてインストールされ、以後はPCを起動するだけで常に立ち上がる様になります。 リーダーソフトを起動して本を読んだりしなくとも、です。
画面等は表示しないプログラム(機能)なので、これが動作している事は利用者には解りませんが..

hcopy-sys-win-0001.jpg
hontoのリーダーソフト適用時のサービス構成, BookLive!やDMMでは多少構成が異なる(サービスが増える)

このソフトの出現には驚かされました。
その強固な複製抑止機能もさる事ながら、利用者のPCにサービス(常駐プログラム)を適用するという "その考え方" にです。
(最近は当たり前になってきているが)以前、ソフトのアップデートなどの為に勝手にサーバーと通信するソフトが世の中に出現し始めたのを知って驚愕した覚えがありますが、このCypherGuardの様な実装のソフトはそれ以上に衝撃的です。
セキュリティソフトの機能やソフトの更新管理などで、適用したソフトが常駐プログラム(サービス)として動作するのは当たり前な世の中になって来てはいますが、それらは基本的にはPCの保護や利用者の利便性向上が目的のものです。
DRM..つまり100%提供者側の都合の為に、(書籍を読んでいない時でも起動される)常駐プログラムをインストールさせるというのは有りなんでしょうか...
ある意味、"常識を覆した革新的なソフトウェア" と言えます。 非常に興味深いソフトです。

おまけに、(バグかどうかは解りませんが)どうも不具合が起きる事が多い様で、"CypherGuard" という単語とエラー系の単語 との複合検索で、このブログにも多数アクセスを頂いています。
これが原因で本を利用できない方も大勢おられそうですし、サイト側もこの不具合に関する問い合わせ対応などで大変苦労されているのではないでしょうか。

更にコスト的な話まですると、恐らく、この機能を利用した電子書籍販売サイトの(リーダーソフトも含めた)システム開発費用の半分近くは、(書籍を販売したり購入者が本を読む為に必要な機能ではなく)このCypherGuardを含めたDRM関連の機能の実現のために使われているのではないでしょうか。 あくまでも私の推測ですが。
(CypherGuardなどによる)電子書籍のDRM機能の実装は、利用者側にも提供者側(出版側)にも大きな負担となっている気がします。


という事でえらく長い余談でしたが、このあたりで本来するべき話を始めます。
この長かった余談の様に、利用者側には迷惑以外の何物でも無い上に提供者側(出版側)にも大きな負担が生じるにもかかわらず電子書籍にDRMを施す理由は、当然の事ながら販売した電子書籍を用いて不正な行為が行われない様にしたいが為です。
目的としては、ですが。
では結果的にDRMは、不正な行為は抑止できているんでしょうか?? また他に何か影響は生じていないんでしょうか??
これに関する私の見解を、以下にタイトルをつけて列挙していきます。

尚、またまた長文になったので、先にタイトルのみ列挙してアンカー(リンク)を付けておきます。
■安心して買えない商品
■魅力の無い商品
■書籍市場の縮小を加速させる
■不正抑止の観点では意味が無いかも


■安心して買えない商品
最近、某大手新聞の記事に 「電子書籍の実際の利用者数は、去年と比べて大して変化していない。」 と記されていました。
但し、実利用はしていないが、利用したいという方は増えている様です。
電子書籍の専用機器も売り上げが鈍ってきているらしい、という話は前回記しましたが、要は全体的に、当初に提供者側(出版側)が皮算用したほどには市場は拡大していない様に思われます。
折角普及させるチャンスが(再び)到来したのに市場が思ったほど拡大しない.. 利用したいと思う人は増えているのに利用されていない.. 何故でしょう??
電子書籍が紙の本に比べて読み難いものと思われているから、でしょうか??
品揃えが薄いから、でしょうか??
それらも一因ではあると思いますが、最も大きな原因は、電子書籍の仕組みの不明瞭さ, 互換性の無さ, 本の長期保存に関する問題 の3つでは無いでしょうか。

前回にも記した様に、最近の日本の電子書籍は方式がバラバラで互換性が無く、かつ何時まで手元に本を置いておける(長期保有できる)のかどうかがよく解らない、あるいはできないものばかりが幅を利かす様になってきています。
電子書籍歴の長い、もう殆どの本を電子書籍で読む私ですら購入を控えるサービス(サイト)が多いのに、ブームにのってこれから電子書籍を使ってみようと思われた方々が何の憂いも無く手を出せる商品とは思えません、最近の電子書籍は。

"安心して買えない商品"... この一言に尽きると思います。

で、電子書籍元年を迎えるまでは曲がりなりにもある程度統一され、かつ比較的長期間に渡って保有できそうなものであった電子書籍をその様なものに変貌させた元凶は、(著作権保護だけでなく囲い込みの意図も多分に含んでいるとは思いますが)各サイトやサービス..あるいは電子書籍元年に新規に登場した電子書籍専用機器などが独自に設けてしまったDRMです。
つまり、DRMが電子書籍という商品を安心して買えないものにしてしまい、市場の拡大を鈍らせた、と私は考えています。


■魅力の無い商品
まあ上述の内容とかなり似ているのですが..
前回に記した様に、DRMが強化されたせいで電子書籍の寿命(読める状態で保有しておける期間)は明らかに減ってきています。

で、私は思います。 これって本(書籍)なの??と。
そりゃ電子データとはいえ紙の本と同じ内容が記されているのだから本だろう、と思われる方もいる..あるいは提供側(出版側)の方々はそう思っているのかもしれませんが、私はそうは思いません。

私にとって、本とは長期保有が可能なものです。
過去に同じ様な事を何度も言っていますが.. 本とは、暫く経ってから読み直したり、たまに好きな部分を読み返したり、更には保有してる(並べてる)事自体を楽しむ事ができるものであって欲しいのです。
紙の手触り, インクの匂い, ページを捲る音が必要とまでは思いませんが、この長期保有だけは譲れません。
まあ、全ての本を読み直す事は無いですし、読んだら(あまり気に入らなかったりして)すぐに売ってしまう(←紙の本の場合)ものも当然有りはしますが、内容に関わらず全ての本が失われる運命にあると言うのは論外です。
本なんて読んだらすぐに古本屋に売ってしまったほうがお得(長期保有できなくとも良い)、という方もおられるかもしれませんが、そうではなく、私と同じ様に手元に置いておきたいと思われる方のほうが大勢を占めるのではないでしょうか。

で、その様に、本と名のつくものにとっては基本的..いや必須の性質が、最近の電子書籍になると、付いてない あるいは 付加価値 と言う事になってしまっています。
個人的には、音楽やら動画やらを含めた様々な情報メディアの中で最も残っておいて欲しいものである本..電子書籍が、何故にこんなものに変化してしまったのか...
一般論では電子書籍のメリットとしてよく述べられる "置き場所に困らない" という言葉が、ブラックジョークに思えてしまいます。
空間的問題以前に、そもそもずっと置いておく事ができないので困る訳が無いですからね..
残念で仕方ありません。

なんか個人的に嘆いてるだけの様な内容になってしまいましたが.. 要は言いたい事は、私と同じ様な感覚を持った方は、電子書籍が上述の様に "本とは名乗れない商品=魅力の無い商品" に変わってきた事に気付けば、購入しないであろう、とい事です。
へたをすれば、既存の利用者すら失ってしまうかもしれません..


■書籍市場の縮小を加速させる
提供者側(出版側)への影響について記す、などと言いながら、ここまでは色々と最近の電子書籍について文句めいた内容になってしまっていましたが.. これらを読んで "そんなに文句があるなら電子書籍など買わずに紙の本を買えば良いだろう" と思った方もおられると思います。
提供者側(出版側)もそういう考え方なので電子書籍に積極的ではない、といった話も耳にした事があります。
確かにそうだと思います。
私が電子書籍にこだわってこんな記述をしているのは、基本的には本が好きで、かつ電子書籍の魅力に染まっており、ただDRM..長期保存の観点でのみ不満を抱いているからです。
単に本が好きで紙の本に何の不満も抱いていない方は、わざわざ電子書籍を購入する必要は無いと思います。
なので提供者側(出版側)にしても、紙の本が売れれば別に電子書籍をより便利で利用者が安心できる商品にしていく必要は無いでしょう.. 今は。

今後はどうでしょう??
最近、スマフォやタブレット型PC、つまり携帯型の電子情報端末が急激に普及しているというニュースや記事をよく見かけます。
今後どんどん普及して行き、多くの人々のライフスタイルを変えていく事でしょう。
以前にも同じ様な事を記しましたが、これらの電子機器が生活に馴染んできた人々は恐らく無意識に少しずつ、"スマフォでできる事はスマフォでやる" ではなく "スマフォでできる何かをやる" という様な余暇時間の過ごし方をする様になっていくと思っています。 私がそうである様に。
まあ、ガラケー(携帯電話)でもそんな感じの現象が起きているのかもしれませんが、スマフォなどの場合はそれ以上に顕著にその状態になって行くのではないでしょうか。

そんな中で、電子書籍が強度のDRMによってややこしいもの+安心して買えないもののままであれば、どんな事になるのでしょうか??
ソーシャルゲームやら動画やら面白いものがいくらでもある中で、今までは余暇時間に紙の本を読んでいた人々は、電子書籍の代わりに紙の本を読み(買い)続けるのではなく本を読まなくなる(スマフォで読書以外の何かをする様になる)という方向に進むのではないでしょうか。

つまり、電子書籍が安心して購入できないものであるという現状は、将来的には書籍全体の市場の縮小を加速させる一因となるであろう、と私は考えています。


■不正抑止の観点では意味が無いかも
冒頭で述べた様に、DRM(著作権保護の仕組み)は、著作権に関する不正行為を抑止する為に電子書籍(またはそのサービス)に組み込まれたものです。
が、そもそも不正行為とは何でしょうか??
以下、私なりの見解になりますが..
不正行為であるのは、複製する事では無く、複製したものを無断で配布する..具体的にはサイトにupして不特定多数にダウンロードさせたり販売したりする事です。
複製そのものについては、私的複製.. 自分でその書籍を楽しむ範囲であれば不正な行為では無いハズです。
CDの音楽をメディアプレイヤーにコピーして聞く、TV番組を録画して後で見る、あるいはずっと残しておく、という行為と大して変わらないと思っています。
まあ、複製の方法が違法なものである場合は別かもしれませんが。
なので、電子書籍のDRMは、不正行為である無断配布を抑止するがためにその前段階である複製という行為をできない様にしている、という仕組みと解釈しています。
結果的に、不正行為を行うつもりのない普通の利用者まで(DRMの弊害で)本を長期保有する事ができなくなっている、という訳ですね。

で、最近の多くの電子書籍は、余談で述べたCypherGuardの様な強力な複製抑止を実現したDRM機能が登場し、提供者側(出版側)の思惑通りのものになった状態であると言えます。
ただこれは、意味のある事なんでしょうか??

世の中に..というかネットには、現在でも不正にupされた書籍が多量に存在します。
私もそういうサイトを見つけた事がありますが、それはもう凄い品揃えです..
特に若い人向けの書籍は、その気になれば殆どがネットから入手できる状態ではないでしょうか。
で、これら不正にupされた書籍の元ネタ(複製元)は何かと言うと、電子書籍ではなく紙の書籍です。
紙の書籍をスキャナで読んで画像ファイル化したもの..つまり自炊したものですね。
つまり、利用者にも負担を強いて提供者側も多大な労力とコストをかけて電子書籍にDRMを施していても、紙の書籍のほうが主流である限り、というか紙の書籍が存在する限り、こういった不正upが消滅する事はないでしょう。

将来に電子書籍が本の主流となった時に効果が生じる、という考え方なのかもしれませんが、そんな時代は一体いつ到来するのやら..
DRMの存在が、余計にその時代を遠のかせた様な気がします。


以上、今回もまたまた長文になってしまいましたが..
最後に一言でまとめると、最近の電子書籍のDRM強化の風潮は、提供者側(出版側)にとってみてもろくな事が無いのではないか、と言う事です。



posted by ka1 at 00:10 | Comment(17) | TrackBack(1) | 保存関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紙媒体は永久に無くならないと思う。
そして、どんな手を使おうと労力惜しまず無料流布する輩は永久に消えない。
それよりも、CCCDのようなウィルスと言われても仕方がないものを常駐させていることが問題。
出るとこ出たら裁判で負けるかもしれない
Posted by at 2011年11月04日 11:32
書籍のDRMは結構重要だよ
企業なんかで1冊だけ買って全部コピーで配られたらたまったもんじゃない。
教科書とかも同じだね。
大学生は平気でコピーするでしょうネ。
Posted by at 2011年11月04日 19:34
講談社などは、これまで非DRMで出していたにも関わらず、DRM化されるまでの一時期パブリからさえも商品を取り下げるという対応をせざるを得ませんでした。
これは一つには、「すべての新刊を電子化」する上で万遍なく著者の了解を得るためにはDRM強化が必要になってしまったことがあります。
従来型のフットプリントによる流出防止も、P2Pなどでの流出が現実として存在し、故意なのか阿呆なのか「winnyで拾って読みました!続きを楽しみにしています!」などと著者に声援を送る者まで現れては、図書館での扱いさえ嫌がる著者さん相手に許諾を得るのは困難です。
「囲い込みだ!」「既得権益だ!」という見方もあながちはずれてはいないとは思いますが、出版社の看板の先にはそれで生活している個人の作家さんもおられることもご理解いただければと思う次第です。
それにしても、iPhoneで書き込もうとすると広告でテキストボックスが見えないとはまた随分なw。
Posted by なむ at 2011年11月05日 09:09
コメント有難うございます。

▼最初にコメント頂いた方
"無料流布する輩" については私もそう思います。
"出るとこ出たら" のほうは、まあ裁判とまでいくかは別としても問題視して何かで話題になる事もあるかもしれませんね。

▼2番目にコメント頂いた方
表現からなんとなく出版側の立場の方っぽいですね..
まあ企業では、紙の本でも業務関連書籍などは1冊買って回し読みしたり本棚に置いておいてみんなで読むのが普通でしょうから、どれだけ効果があるかは疑問に思えます。
教科書は、もしそういう事をするところがあればどうしようもなくなりますが、そういう団体向けの書籍は、利用者数を設定した販売形態(100ユーザ用とか)で売るとかできないものですかね..

Posted by ka1 at 2011年11月05日 17:17
▼なむさん
この文章は..明らかに出版側の立場の方、という事ですね。
講談社さんのパブリからの取り下げ.. そういう経緯があったのですね。 という事は..
XMDFと.book主体のビットウェイブックスさんの10月末の "講談社作品の販売一時停止" は、一時停止では収まら無さそうですね.. うわーそれは残念..

でまあそれは仕方ないとして.. 私も著者さんが嫌がるのは当然の事とは思います。
また、本に限らずこういう著作権問題については、一部の不正を抑えるために全ユーザにデメリットを強いる、というのが世の常とも思っているのですが、最近のパブリさんやhontoさんのサービスは、ちょっとやり過ぎ(善良なユーザへの負担が多過ぎ)と思っています。
"winnyで拾って〜" の話も、それはたまたま電子書籍だったかもしれませんが、実体的に大量に出回っているのは紙の書籍の自炊ものの様に思うので、結局、電子書籍のDRMの効果は善良な利用者の増加を抑制するだけの事で終わるかも.. つまり音楽のCCCDの二の舞になる様な気がしています。

まあ、音楽と異なり、書籍の場合は 紙の本 があるので(というか主流なので)電子書籍のDRMが結局書籍の売り上げにどういう効果があった(影響を及ぼした)のかが明確になるのは、まだまだ先の事とは思いますが..

Posted by ka1 at 2011年11月05日 18:13
僕は単なるどこにでもいる一人の本好きです。
本好きであるがゆえに、いいものには、お金をしっかり払って、作者を応援したいとも思っています。

電子書籍はいろんな会社のものを全部試したわけではないですが、やはり長期保存が難しいという意味で、手が出せずにいます。

時間がたったのちにふと思い立って読み返せない本は、貸し本だと思うので、お金をちゃんと払いたい、と思っていても、レンタル相当分の金額じゃないと納得できないという心理もあります。

脈絡のない話になりましたが、このエントリーと同じことを思っていたので、書き込ませていただきました。
失礼いたしました。
Posted by ふくちゃん at 2011年11月06日 08:31
本が好きです。電子書籍にも興味がありますが、まだ手を出していません。でも京極氏を初めとして作家さん達もチャレンジしているので、そろそろ私もと思い始めたのですが、本HPを読んでマダマダだなと思っています。
紙の本なら場所はとるけれど当然長期保有できるし、他人に貸すことも出来る、不要なら売ることも出来る。これらは著作権者の権利というか利益とかいう議論の前に昔から行われてきたことです。言ってみれば本を買った人の使用・処分する権利の中に入っていたと考えます。こういうことを電子書籍で実行するには、買った電子書籍をクラウドという書庫に入れIDなりPWで管理すれば良いのだろうと考えています。今の電子書籍ではそのような対応は出来ないのでしょうか???その辺がクリヤになるまでは電子書籍には手を出せませんね。
(長文にて失礼)
Posted by 浜爺 at 2011年11月06日 10:42
中小な版元としては、
・やるならEPUB3.0以降(独自規格乱立は作る側としてもNo,Thank you)
・DRMというか、データの再配布をされないorそこで売上が立つ手段があればおk
・本じゃないんだから保存性なんてCloudでおk
・現状は宣伝効率の面で紙と書店が圧倒的優位だから、今ある情報を全ての前提とするなら電子書籍はどう頑張ってもおまけ
・電子書籍へのdecodeもまだボッタクリ相場(向こうの現場も色々あるんだろう)
・借りる前に買ってよ、という程度には薄利多売
・記載情報を作って売ってるんだから読んだら売るってのどうなのと思うけど、絶版もするしまあ黙認という同人二次創作と同じ

その他もろもろ御座いますが、DRMが無いと倒産しかねないので何かしらの担保が必要になってくるのですが、そう考えると専用端末で共通規格、とするとKindleで良いんじゃね?という2012年になりそうな気がします。
Posted by Matrox at 2011年11月06日 11:25
非常に興味深い記事です。
「スマフォでできる事はスマフォでやる" ではなく "スマフォでできる何かをやる」タブレットと置き換えればまさにその通りのもうすぐ40台です。
私も本は相当読む方ですが、それゆえに本棚の圧迫は許容できず、電子書籍の普及を待ちつつ自炊環境を整えました。
現在の電子書籍はDRMのおかげで全く購入する気になれません。理由は本記事の通り、紙書籍より条件が悪いからです。
では紙書籍を購入してガンガン自炊しているかというと、そうでもありません。だって紙書籍一冊のコストはかつてに比べてはるかに上がっているのです。つまり価格+自炊の手前です。なので、そのコストをかけてでも欲しいと思える本だけ購入し、自炊してタブレットで読みます。
最初の二つのコメントは失礼ながらこの記事の要旨を理解できていませんね。
電子化しなくてもすでにDRMなんてきいてないのです。紙書籍からがんがん流出され(私はもちろんしませんが)、電子書籍の普及を阻むことで出版が成長産業となるチャンスさえも奪っているのです。
三つ目のコメントについては著者の権利を守るのは全く否定しませんが、それがDRMで守れるというのはディストリビューターの幻想でしかない事に気づくべきです。音楽業界のCCCDがなぜ失敗したか。ちょっと学べばすぐにわかる事実です。
本来、企業としての成長を考えると、まず市場を成長させること。次に市場内でのシェアを取ること。DRMはそのどちらにも障壁となります。そろそろ出版社も、著者も気づくべきじゃないでしょうか?
長文コメント失礼しました。
Posted by 電子化待ちヘビーユーザー at 2011年11月06日 11:41
×自炊の手前
○自炊の手間
Posted by 電子化待ちヘビーユーザー at 2011年11月06日 11:43
連コメごめんなさい。
私自身が最初のコメントの要旨を理解できていませんでした。
改めてごめんなさい
Posted by 電子化待ちヘビーユーザー at 2011年11月06日 11:57
ka1です。 コメント有難うございます。

▼ふくちゃんさん
ちゃんとお金を払いたい, 長期保存の懸念, 金額的懸念..
私のほうはどっぷり電子書籍につかっているとはいえ、全部私と同じ思いですね ^ ^
私は、なんとか妥協点を探ってこれからも電子書籍を利用していくつもりで、このブログの(今回の記述を含む) "保存関連" のカテゴリはそれらの情報を記す為に設けたものです。
参考にして頂ければ幸いです。

▼浜爺さん
私は電子書籍は長期保有(保存)の問題を除けば非常に良いものだと思っています。
是非手を出してみてください ^^;
クラウドの件については、電子書籍は元々は売り切りのファイル形式だったものが最近はクラウド(サーバの書庫で管理)が主流に変化してきているのですが、そこで各サイトが独自のDRMをかけた事によって、逆に本の寿命が短くなっているのが実情です。
前回に、そういう観点で主要サイトを3種に分類して本の寿命を比較する話を記しているので、また読んでみてくださいね。

Posted by ka1 at 2011年11月06日 19:56
×紛いなり
○曲がりなり(曲がり形)
Posted by at 2011年11月07日 09:48
ka1です。 コメント有難うございます。

▼Matroxさん
版元さんですね。 確かに薄利多売.. 大変でしょうね。
で、いくつかコメントさせて頂くと..
データ形式は、以前は実質 XMDF, .book, KeyringPDF(bookend) ぐらいに統一されており、今でもそれは同じですが、記事にも記した様にサイト毎に独自のDRMをかけるのが主流になってしまったので、"利用者側" にとってはもうどうでも良い話(例えデータ形式がEPUB3に統一されても実体的には互換性汎用性は全く無い)になっていますね。
版元さんにとってはそうでは無いと思いますが。 ^ ^;
DRMが無いと倒産..については、例えば中央公論新社さんなどはかなり昔から、実質DRMのかかっていない従来型のXMDFや.bookで多数の書籍を販売(特定レーベルの小説はほぼ全て)しておられる上に、絶版本を復活させたものを電子書籍のみで販売されたりもしているので、そこそこ電子書籍のみの市場でうまみのある商売をされているのかもしれません。 なので意外といけるかもしれませんよ。
最後にkindleですが.. kindleと本を共用できるWindowsソフトも出てるので、DRM的にはどうなんでしょう??
そもそもkindle自体が画面キャプチャが普通にできる様なので、実は出版側にとってはあまり宜しくない機器なのかもしれませんね..

Posted by ka1 at 2011年11月07日 19:54
お返事ありがとうございます。
他のエントリも拝見させていただきました(全部ではないですが)
電子書籍とは 不定期レンタル の商品である、というのがなんか僕の感覚とまったく一致していて、そうそう、なんて思いながら読んでいました。

僕は(そういう人ほかにも多いと思いますが)、本て、初読のときにだけ価値があるわけじゃない、という気持ちが強いんです。
ふと思い立って、もう一回読んでみるかと手を伸ばした、むかーし買った本に、思わぬ魅力を見つけたり、気持ちの変化とともに感じ方が変わった部分を見つけたり、という事があると思います。
本だけじゃなく自分を振り返る意味でも楽しいな、と思っています。

スペース削減のため、自炊はかなりしています。
電子書籍もほんの一部は試していまして、自炊PDFを上回る魅力があると感じています。

紙の本にこだわってはいないんですが、再読したい!(いつになるかわからないけど。。。)という本好きの気持ちに応えてくれたらうれしいな、と思っています。

ka1さんのエントリ、参考にさせていただきながら、少しずつ電子書籍にも踏み込んでいこうと思います。

ありがとうございました。
Posted by ふくちゃん at 2011年11月08日 09:48
ka1です。 コメント有難うございます。

▼電子化待ちヘビーユーザーさん
「スマフォ(タブレット)でできる何かをやる」.. やはりそうですよね!! 多くの方がそうなっていくと思います。
紙の本の自炊は、確かに意外と大変ですよね。 私も何冊かやりましたが、キレイにやろうとすれば難易度が高まり私の場合は非常に時間がかかってしまうので、もうあまりやりません..
DRMについては御指摘の通り利用者側から見れば幻想としか思えないのですが、出版側の方々からすればそうでは無い、または効果が無いと思っていたとしてもやらざるを得ない様ですね。 実際に電子書籍の販売側の立場でDRMに実効性は無いと公言している方もおられます。
なので、この流れは恐らくは止まらないと思われます。
やはり、紙本の自炊か、電子書籍の保存を自分で何とかするしかなさそうですね..

▼"紛いなり" をご指摘の方
有難うございます。 恥ずかしい.. 修正します。
ですが、その誤字を指摘頂けるほどに細かく読んで頂けているという事でもあるので、嬉しい限りです。

Posted by ka1 at 2011年11月08日 18:24
ずいぶん古い記事にコメントもあれですが。
おおよそノーガードでも売上に対するダメージは全くない、
むしろコストがかからない分プラスになる可能性すらあると思ってます。
日本人のコンピューターリテラシーの低さを舐めてはいけないと思います。
「圧縮ファイルって何?」から始まるんですよ…、ほとんどの人間は。
比較的若い世代ですら。
(拡張子すらほどんど知られてない)
「バカの壁」という最強プロテクトだけで必要十分を満たすでしょう。
それ以上を目指すのは提供者側が欲張りすぎです。
大量にDLされているように見えてもハナから買う気がないのがほとんどなのですから。
まあバカの程度を見誤ると「正規の電子書籍ソフトの使い方もほとんどが分からない」というのを見逃しますが。
Posted by at 2018年02月21日 20:05
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